相続税と遺産分割協議の対象となる財産の違いは?
回答
遺産分割協議の対象となる財産は、原則、被相続人が所有していた財産となりますが、
相続税に関しては、それに以下を加え対象とする財産となります。
【みなし相続財産】
死亡保険金など被相続人の死亡を原因として支払われるもの。
【生前贈与の持戻し】
税負担の公平性の確保のため、被相続人が亡くなる前の一定期間内に行った生前贈与については、その贈与財産を相続財産に加算(持戻し)。
みなし相続財産
死亡保険金や死亡退職金などは、本来、受取人などが決まっている受取人固有の財産に当たり、遺産分割協議の対象とはなりませんが、被相続人の死亡を原因として支払われる「みなし相続財産」として、相続税の課税対象となります。
ただし、みなし相続財産には一定の非課税枠(500万円 × 法定相続人の数)があります。
生前贈与の持戻し
生前贈与の持戻しとは、被相続人が亡くなる前の一定期間内(相続開始前3年以内から税制改正により、令和6年1月1日以降の贈与からは、相続開始前7年以内に延長)に行った生前贈与については、その贈与財産を相続財産に加算(持戻し)して相続税を計算する制度です。
また、
持戻しの対象となる生前贈与は、相続や遺贈によって財産を取得した相続人や受遺者(相続人以外を含む)並びに、みなし相続財産の受取人(相続人以外を含む)が受けた生前贈与です。
なお、
持戻し加算が延長された4年間(相続開始前4年~7年以内)の贈与については、合計で100万円までを控除できる特例があり、生前贈与で既に贈与税を支払っている場合、その贈与税額を相続税から控除する「贈与税額控除」もあります。
コメント