法定相続人で遺留分(いりゅうぶん)があるのは誰?
回答
被相続人(亡くなった方)の法定相続人で、遺留分(いりゅうぶん)が「認められている相続人」と「認められていない相続人」は、以下の通りです。
●配偶者 (相続権:常に相続人)
●直系の子又はその卑属(相続権:第1順位)
●直系の父母等の尊属 (相続権:第2順位)
【遺留分が認められていない相続人】
●傍系の兄弟姉妹 (相続権:第3順位)
尚、配偶者は常に遺留分を認められますが、第2順位の直系尊属にあたる相続人は、第1順位の直系の卑属にあたる相続人がいない場合に認められます。
遺留分とはなに?
遺留分とは、被相続人の法定相続人(兄弟姉妹以外)に認められている、最低限の遺産の取り分を主張できる権利です。
遺留分の割合は?
遺留分の割合は、以下の通りです。
【被相続人の相続人が直系尊属のみの場合】
遺留分割合:被相続人の財産の3分の1
【被相続人の相続人が直系尊属以外の場合】
遺留分割合:被相続人の財産の2分の1
尚、遺留分を請求できる割合は、「遺留分割合×各相続人の法定相続分」で算出した割合となります。
遺留分の民法条文と関連する民法条文
(遺留分の帰属及びその割合)
第1042条
兄弟姉妹以外の相続人は、遺留分として、次条第一項に規定する遺留分を算定するための財産の価額に、次の各号に掲げる区分に応じてそれぞれ当該各号に定める割合を乗じた額を受ける。
一 直系尊属のみが相続人である場合 三分の一
二 前号に掲げる場合以外の場合 二分の一
2 相続人が数人ある場合には、前項各号に定める割合は、これらに第九百条及び第九百一条の規定により算定したその各自の相続分を乗じた割合とする。
(法定相続分)
第900条
同順位の相続人が数人あるときは、その相続分は、次の各号の定めるところによる。
一 子及び配偶者が相続人であるときは、子の相続分及び配偶者の相続分は、各二分の一とする。
二 配偶者及び直系尊属が相続人であるときは、配偶者の相続分は、三分の二とし、直系尊属の相続分は、三分の一とする。
三 配偶者及び兄弟姉妹が相続人であるときは、配偶者の相続分は、四分の三とし、兄弟姉妹の相続分は、四分の一とする。
四 子、直系尊属又は兄弟姉妹が数人あるときは、各自の相続分は、相等しいものとする。ただし、父母の一方のみを同じくする兄弟姉妹の相続分は、父母の双方を同じくする兄弟姉妹の相続分の二分の一とする。
(代襲相続人の相続分)
第901条
第八百八十七条第二項又は第三項の規定により相続人となる直系卑属の相続分は、その直系尊属が受けるべきであったものと同じとする。ただし、直系卑属が数人あるときは、その各自の直系尊属が受けるべきであった部分について、前条の規定に従ってその相続分を定める。
2 前項の規定は、第八百八十九条第二項の規定により兄弟姉妹の子が相続人となる場合について準用する。
コメント