原本還付とは提出書類を返却してもらえる手続きです|初めての不動産登記

   




 

はじめに

この記事では、
初めて不動産登記申請手続きにチャレンジする方むけに、
登記手続きの中の「原本還付手続き」について以下の項目をご紹介致します。

◆登記申請時に提出する書類の原本還付手続きの手順

◆相続登記申請時に提出する戸籍謄本を原本還付手続きの手順

◆原本還付が出来ない書類

この記事のタイトルにもある通り、
「原本還付手続き」は登記申請時に併せて提出する書類を登記完了後に返却してもらえる手続きです。

■登記申請書の構成と原本還付手続きについて

登記申請書の構成は、

◆登記事項が記載された登記申請書

◆登記事項を審査する書類

の、
2つで構成されています。

原本還付手続きは、
上記の「登記事項を審査する書類」を登記完了後に返却してもらう手続きです。

では、この「原本還付手続き」、

どんなときに役立つの?

例えば、
所有者の住所変更手続きでは、
住所変更の証明書として住民票を登記申請書と併せて提出しますが、

この提出する住民票、
登記以外に「運転免許証の住所変更」にも使いたい場合に、
住民票(原本)が登記完了後に返却されたら「運転免許証の住所変更」にも使えますよね。

そう、
「原本還付手続き」は、
登記手続き以外の手続きでも使いたい書類がある場合に役立つ手続きなんです。

登記手続き以外の手続き用に、
また、住民票を取得するとなると、
時間と費用がかかりますからね。
(^_^;)

では、
「原本還付手続き」の方法などをご紹介しますね。


 


 


 









 


登記申請時に提出する書類の原本還付手続きの手順

では、
タイトルにある通り原本還付手続きの手順を、
所有者の住所変更登記を例にご紹介します。

■原本還付手続きの手順

例)
所有者(法務太郎)の住所変更登記申請時に提出する「住民票」を還付する手続き

①登記申請時に提出する「住民票(原本)」のコピーを取る。
 
 ⇩

②住民票のコピーの余白に、以下の文言の記入と印鑑を押印をする。

・原本還付(赤字で記入)
・上記は原本と相違ありません
・法務太郎(印)

(記入例)

      原本還付

   住民票(コピー)

 ------------
 ------------
 ------------

   上記は原本と相違ありません
     法務太郎(印)

※「原本還付」以外の文言は黒字で記入する。

※登記申請人の法務太郎は、氏名の横に登記申請書に押印した同じ印鑑を押印する。

※原本還付する書類に押印する印鑑には特に規定がありませんが、登記申請書に押した印鑑と同じ印鑑を押すことで登記申請の確からしさ(真正)が高まります。
(^_^;)

 ⇩

③②で作成した書類を登記申請書に「ホッチキス」で合綴(がってつ)する。

 ⇩

④「住民票(原本)」を登記申請書に「クリップ」でとめて管轄法務局に提出する。

※書類の紛失防止の為「住民票(原本)」の余白に、鉛筆で以下の項目を記入しておく事をオススメします。

・申請人の氏名
・申請人の連絡先

(記入例)

   住民票(原本)

 ------------
 ------------
 ------------

   申請人 法務太郎
   連絡先 000−0000−0000

 ⇩

⑤登記完了後、登記申請書を提出した管轄法務局から、登記完了書類と併せて還付(返却)手続きをした「住民票(原本)」を受け取る。

以上です。

簡単ですよね。

でも、
コピーがちょと面倒かな・・・。
(^_^;)

参考までに、
原本還付手続きの法律(条文)を以下にご紹介します。
「赤字」になっているところが、この章でご紹介している部分です。

ご参考までに。
(^^)/

(出典・引用元 :「不動産登記規則」の一部を抜粋)

(添付書面の原本の還付請求)
第五十五条 書面申請をした申請人は、申請書の添付書面(磁気ディスクを除く。)の原本の還付を請求することができる。ただし、令第十六条第二項、第十八条第二項若しくは第十九条第二項又はこの省令第四十八条第一項第三号(第五十条第二項において準用する場合を含む。)若しくは第四十九条第二項第三号の印鑑に関する証明書及び当該申請のためにのみ作成された委任状その他の書面については、この限りでない。
2 前項本文の規定により原本の還付を請求する申請人は、原本と相違ない旨を記載した謄本を提出しなければならない。
3 登記官は、第一項本文の規定による請求があった場合には、調査完了後、当該請求に係る書面の原本を還付しなければならない。この場合には、前項の謄本と当該請求に係る書面の原本を照合し、これらの内容が同一であることを確認した上、同項の謄本に原本還付の旨を記載し、これに登記官印を押印しなければならない。


原本還付手続きをした書類の受け取り方は二つある

上記⑤でご紹介した通り、還付(返却)手続きをした書類は、
登記完了後に登記申請書を提出した管轄法務局から受け取る事になりますが、

その受け取り方法は、

以下の2通りです。

◆管轄法務局の「窓口」で受け取る

◆管轄法務局から「郵送」で受け取る

では、
その方法を簡単にご紹介していきたいと思います。
(^^)

原則は、
管轄法務局の「窓口」で受け取るです。

例外として、
管轄法務局から「郵送」で受け取ることが出来ます。

参考までに、
「郵送」で受け取ることが出来る事が記載されている法律(条文)を以下にご紹介しますね。

(出典・引用元 :「不動産登記規則」の一部を抜粋)

(添付書面の原本の還付請求)
第五十五条
6 第三項の規定による原本の還付は、申請人の申出により、原本を送付する方法によることができる。この場合においては、申請人は、送付先の住所をも申し出なければならない。
7 前項の場合における書面の送付は、同項の住所に宛てて、書留郵便又は信書便の役務であって信書便事業者において引受け及び配達の記録を行うものによってするものとする。
8 前項の送付に要する費用は、郵便切手又は信書便の役務に関する料金の支払のために使用することができる証票であって法務大臣が指定するものを提出する方法により納付しなければならない。


登記完了後に登記申請をした管轄法務局の「窓口」で受け取る場合

登記申請書を提出した管轄法務局の「窓口」で、
登記完了書類と併せて還付(返却)手続きをした書類を受け取る場合の手順は、

①登記完了予定日に登記申請をした管轄法務局へ出向き、登記完了書類受け渡し「窓口」で、登記完了書類の受け取りの旨を管轄法務局のご担当者へ告げる。

 ⇩

②登記申請書に押印した「印鑑」と登記申請人の本人確認書面として「運転免許証等」を管轄法務局のご担当者へ提示する。

 ⇩

③管轄法務局のご担当者が提示された「印鑑」と「運転免許証等」で登記申請人本人である事を確認出来たら、登記完了書類と併せて還付(返却)手続きをした書類を受け取る。

と、以上です。
(^^)

最後に、
ちょとだけ気をつけて欲しいこと。

登記申請書を管轄法務局へ提出する際に、

必ず、
登記完了予定日をメモしましょう!!
(※管轄法務局の登記申請書受付の窓口に登記完了予定日が表示されてます。)

登記完了予定日が、
登記完了書類や還付(返却)手続きをした書類を受け取る日になりますので、

メモを忘れずに!!
(^^)

メモを忘れたら?
(>_<) 大丈夫です、 登記申請書を提出した管轄法務局に電話をして、登記完了予定日を確認することも可能ですのでご安心を。 (^^)


登記完了後に登記申請をした管轄法務局から「郵送」で受け取る場合

登記申請書を提出した管轄法務局から「郵送」で、
登記完了書類と併せて還付(返却)手続きをした書類を受け取る場合の手順は、

①書類返送用の「レターパックプラス(郵便局ホームページへのリンク)」を購入。
https://www.post.japanpost.jp/service/letterpack/

 ⇩

②申請する登記申請書に、登記完了書類と併せて還付(返却)手続きをした書類を「郵送」で返却を希望する旨と返送先を以下のように記入する。

◆登記識別情報通知(権利証)が発行されない登記の場合
(抵当権抹消登記等の場合の記載例)

添付情報
 ○○○○  ○○○○  ○○○○  ○○○○

□登記完了書類並びに還付書類は、下記の申請人の住所宛に郵送にて返却願います。

(申請人 送付先)
 東京都○○区○○五丁目○○番○○号
   法 務  太 郎

◆登記識別情報通知(権利証)が発行される登記の場合
(所有権移転登記等の場合の記載例)

添付情報
 ○○○○  ○○○○  ○○○○  ○○○○
□登記識別情報通知その他の登記完了書類並びに還付書類は、下記の申請人の住所宛に郵送にて返却願います。

(申請人 送付先)
 東京都○○区○○五丁目○○番○○号
   法 務  太 郎

③②で登記申請書に記入した返送先を、書類返送用に購入したレターパックプラスの「お届け先」の箇所に記入し、「品名」の箇所には 書類 と記入する。 

※「ご依頼主」の箇所は記入しなくとも大丈夫です。この箇所は返送する管轄法務局さんで記入して頂けます。

 ⇩

④「還付して欲しい書類の原本」と、③で返送先を記入した「書類返送用のレターパックプラス」を併せて、申請する登記申請書にクリップでとめて管轄法務局へ申請(提出)する。

 ⇩

⑤登記完了予定日に登記を申請した管轄法務局から、登記完了書類と併せて還付(返却)手続きをした書類が「郵送」にて発送される。

 ⇩

⑥⑤で管轄法務局から「郵送」にて発送された、登記完了書類と併せて還付(返却)手続きをした書類を受け取る。



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相続登記申請時に提出する戸籍謄本を原本還付手続きの手順

相続登記(所有権移転登記)申請時には、
死亡された方(不動産の所有者)の相続人を把握するために戸籍謄本を添付します。

ここでは、
相続登記申請時に添付する戸籍謄本の原本を還付する方法をご紹介したいと思います。
(^^)

その前に、
通常の還付方法は、

前章で紹介したとおり、
還付したい書面の原本のコピーを登記申請に添付し、原本を還付するという方法でした。

が、

相続登記申請書に添付する戸籍謄本だけに関しては、

特別に、

死亡された方(不動産の所有者)の相続人を把握する書面(以下「相続関係説明図」と記載)を作成し、その書面を登記申請書に添付することで、「戸籍謄本の原本」を還付する事が出来るんです。

(※この戸籍謄本の還付方法は、法務省さんが各法務局さん宛に発した通達でOKとなっている還付方法です。)
(^^)/

尚、
戸籍謄本以外の登記申請書に添付する書面、
例えば、住民票や遺産分割協議書などは、
通常どおり還付したい書面の原本をコピーして登記申請書に添付し、原本を還付する事になります。
(>_<) では、 戸籍謄本だけ特別な還付方法がある理由は? もちろん、 通常どおり、 戸籍謄本も原本をコピーして還付することも可能です。 が、 以下のような理由で、 戸籍謄本だけは特別な還付方法があるんです。    ⇩

◆理由①
死亡された方(不動産の所有者)の相続人が多い場合には戸籍謄本が大量になり、登記申請人のコピーする負担などを軽減するため。

◆理由②
大量の戸籍謄本が登記申請書に添付された場合、申請を受け付けた管轄法務局で審査など登記手続きに遅れが生じる可能性があるため。

◆理由③
相続関係説明図を登記申請書に添付してもらうことで、申請を受け付けた管轄法務局での審査で相続人の把握が容易になり、正確な登記と登記手続きもスムーズに運ぶ事が期待できるため。

では、
最後に、
相続登記の申請書に添付する相続関係説明図の記載例を以下にご紹介致します。

ご参考までに。
(^^)

■相続関係説明図の記載例

被相続人 法務太郎 相続関係説明図
 本籍 東京都○○区○○五丁目○○番地 

被相続人
(亡)法 務  太 郎
    昭和○○年○○月○○日 生
    平成○○年○○月○○日 死亡
    │├───(長男)法 務  一 郎
(妻)法 務  花 子   昭和○○年○○月○○日 生
    昭和○○年○○月○○日 生

戸籍謄抄本及び除籍謄本の原本還付

注意:
 実際に相続登記を申請する際に添付する相続関係説明図には、登記の審査手続きを考慮して、上記以外に以下のような項目を記載する場合があります。(※ 詳しい記載方法については、登記申請をする管轄法務局へお問い合わせ下さいね。)

・被相続人の死亡時の住所と登記簿上の住所
・相続人の現在の住所
・法定相続以外(遺産分割など)の場合には相続状況を記載

 



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原本還付が出来ない書類

最後に、
原本が還付出来ない(返却してもらえない)書類を以下にご紹介したいと思います。

参考までに、
この章の最後に、
原本還付手続きに関する法律(条文)もご紹介していますので、併せてご覧下さい。
(※「赤字」の部分がこの章でご紹介している該当部分です。)

①所有者が登記義務者となる場合に添付する印鑑証明書
 (不動産登記令16条2項、第18条第2項)

②第三者(登記申請人以外の方)が作成した承諾書や同意書などに併せて添付する印鑑証明書
 (不動産登記令19条2項)

③申請する登記申請書に添付するためにのみ作成した書面
 (登記原因証明情報、委任状など)

④偽造された書面、不正な登記申請のために提出された書面

では、
簡単に還付出来ない理由についてふれていきたいと思います。

◆①の書面が還付出来ない理由
 登記義務者(所有者)は登記申請をする際に管轄法務局へ提出する登記申請書(又は委任状)へ実印を押印します。
 登記申請書(又は委任状)へ押印された印影は、併せて登記申請書へ添付する印鑑証明書の印影と照合され、印影が合致する事で登記義務者の「申請意思を確認」しているため、印影確認用の印鑑証明書は原本の方が望ましいんです。

例えばですが、
印鑑証明書が偽造されていないか等の判別は、原本の方が良いですからね。
(^_^;)

◆②の書面が還付出来ない理由
 第三者の方は、登記申請に直接は関係がないのですが、登記原因の成立に関係してくるような承諾や同意が必要となってくる場合には、第三者の方に承諾書や同意書などを作成して頂きその書面に実印を押印します。
 承諾書や同意書などに押印された印影は、併せて承諾書や同意書と共に登記申請書へ添付する印鑑証明書の印影と照合され、印影が合致する事で第三者の方が作成した承諾書や同意書の「真正を担保」しているため、印影確認用の印鑑証明書は原本の方が望ましいんです。

◆③の書面が還付出来ない理由
 登記申請書に添付する書面は、原則、原本なんです。原本還付の手続きは例外なんです。ですので、登記申請の為だけに作成された書面に関しては、原則、原本還付が出来ないんです。

◆④の書面が還付出来ない理由
 これはもう、犯罪が行われたかもしれない証拠ですから、原本の還付は出来ません。

上記に記載した書類以外は、
原則、原本還付が出来ますが、

還付が出来るのか?

判断が付かない場合には、

登記を申請する管轄法務局へ事前にお問い合わせ願いますね。
(^_^;)

では、また。
(^^)/

(出典・引用元 :「不動産登記規則」の一部を抜粋)

(添付書面の原本の還付請求)
第五十五条 書面申請をした申請人は、申請書の添付書面(磁気ディスクを除く。)の原本の還付を請求することができる。ただし、令第十六条第二項、第十八条第二項若しくは第十九条第二項又はこの省令第四十八条第一項第三号(第五十条第二項において準用する場合を含む。)若しくは第四十九条第二項第三号の印鑑に関する証明書及び当該申請のためにのみ作成された委任状その他の書面については、この限りでない。
2 前項本文の規定により原本の還付を請求する申請人は、原本と相違ない旨を記載した謄本を提出しなければならない。
3 登記官は、第一項本文の規定による請求があった場合には、調査完了後、当該請求に係る書面の原本を還付しなければならない。この場合には、前項の謄本と当該請求に係る書面の原本を照合し、これらの内容が同一であることを確認した上、同項の謄本に原本還付の旨を記載し、これに登記官印を押印しなければならない。
4 前項後段の規定により登記官印を押印した第二項の謄本は、登記完了後、申請書類つづり込み帳につづり込むものとする。
5 第三項前段の規定にかかわらず、登記官は、偽造された書面その他の不正な登記の申請のために用いられた疑いがある書面については、これを還付することができない。
6 第三項の規定による原本の還付は、申請人の申出により、原本を送付する方法によることができる。この場合においては、申請人は、送付先の住所をも申し出なければならない。
7 前項の場合における書面の送付は、同項の住所に宛てて、書留郵便又は信書便の役務であって信書便事業者において引受け及び配達の記録を行うものによってするものとする。
8 前項の送付に要する費用は、郵便切手又は信書便の役務に関する料金の支払のために使用することができる証票であって法務大臣が指定するものを提出する方法により納付しなければならない。
9 前項の指定は、告示してしなければならない。



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ま と め

最後までこの記事にお付き合い頂きありがとうございました。

原本還付の手続きについてご紹介してきましたが、

お役に立てたでしょうか?

何かのお役に立てたら幸いです。

ではでは、また次回の記事にて。
(^^)

コハチ
この記事の要約を箇条書きに「まとめ」てみましたのでご参考として下さい。
   ⇩⇩⇩
ま と め

登記申請時に提出する書類の原本還付手続きの手順

◇原本還付手続きの方法
◇還付書類を管轄法務局の「窓口」で受け取る
◇還付書類を管轄法務局から「郵送」で受け取る


相続登記申請時に提出する戸籍謄本を原本還付手続きの手順

◇相続登記の申請書に添付する戸籍謄本は、相続関係説明図を申請書に添付することで還付してもらえる。


原本還付が出来ない書類

◇原本の還付が出来ない書類は次の通り。
 ①所有者が登記義務者となる場合に添付する印鑑証明書

 ②第三者(登記申請人以外の方)が作成した承諾書や同意書などに併せて添付する印鑑証明書

 ③申請する登記申請書に添付するためにのみ作成した書面
 
 ④偽造された書面、不正な登記申請のために提出された書面

ハチ
最後までお付き合い頂き、ありがとうございました。
(^^)/

こちらもご参考下さい。
  ⇩⇩⇩

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