はじめに
この記事では、
不動産の「登記情報」について、
◆登記情報とはどんなものなのか
◆登記情報を活用する場面
◆登記情報の取得方法
を、
サクッと、ご紹介したいと思います。
では、早速。
(^^)/
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登記情報ってどんなもの
不動産の登記情報とは、
不動産の登記簿(現在、登記簿は登記された内容がデジタルデータ化され登記記録といいます。)に登記された内容(権利等の履歴)が記載されている、登記簿謄本(全部事項証明書)みたいなものです。
ズバリ。
登記情報ってこんなものです。
⇩⇩⇩
■建物の登記情報の見本
登記情報の見本、どうです?
パッとみて、
登記簿謄本(全部事項証明書)ですよね。
違いといえば、
◆登記情報には登記官の証明文が無い。
[登記簿謄本(全部事項証明書)の証明文の記載例]
これは登記記録に記録されている事項の全部を証明した書面である。
令和○○年○○月○○日
東京法務局○○出張所 登記官 法務太郎 (登記官の印)
◆発行しているところが違う。
[登記情報の発行元]
一般財団法人 民事法務協会
[登記簿謄本(全部事項証明書)の発行元]
法務局
って、
事ぐらいです。
似ているだけでなく、
登記情報に記載されている内容は、登記簿謄本(全部事項証明書)と同じなんですよ。
(^^)
なぜって?
それは、
⇩
【答え】
同じ登記記録のデータを使用している為。
なんです。
参考までに、
登記情報に関する法律の一部抜粋したものを最後に載せておきますね。
ちなみに、
同じ登記記録のデータを使用している事が分かる文言は、
第二条の次の部分です。
⇩⇩⇩
「・・・「登記情報」とは、法務大臣が指定する登記所における不動産登記・・・登記についての磁気ディスク・・・をもって調製された登記簿に記録されている情報」
(出典・引用元 :「電気通信回線による登記情報の提供に関する法律」の一部を抜粋)
また、
登記情報と登記簿謄本(全部事項証明書)の違いについてもう少し知りたい方は、次の記事をご参考下さい。
⇩⇩⇩
(目的)
第一条 この法律は、登記情報を電気通信回線を使用して提供する制度を設けることにより、登記情報をより簡易かつ迅速に利用することができるようにし、もって取引の安全と円滑に資することを目的とする。
(定義等)
第二条 この法律において「登記情報」とは、法務大臣が指定する登記所における不動産登記、商業登記その他政令で定める登記についての磁気ディスク(これに準ずる方法により一定の事項を確実に記録することができる物を含む。)をもって調製された登記簿に記録されている情報で次に掲げるものをいう。ただし、電気通信回線を使用して提供することに適しないものとして法務省令で定めるものを除く。
一 当該登記簿に記録されている事項の全部についての情報
二 当該登記簿に記録されている事項の一部についての情報で法務省令で定めるもの
2 前項の指定は、告示してしなければならない。
(指定等)
第三条 法務大臣は、次に掲げる要件を備える者を、その者の同意を得て、全国に一を限って、次条第一項に規定する業務(以下「登記情報提供業務」という。)を行う者として指定することができる。
登記情報を活用する場面
不動産の「登記情報」を活用する場面は、
二つあります。
一つ目は、
◆登記簿(登記記録)の記載内容を確認するために使用する。
二つ目は、
◆登記簿謄本(全部事項証明書)の代わりに証明書として使用する。
ここでは、
「登記簿(登記記録)の記載内容を確認するために使用する。」について、
主に、
不動産の登記申請書を作成する際にどのように活用するのかを簡単にご紹介しますね。
(^^)/
そして、
「登記簿謄本(全部事項証明書)の代わりに証明書として使用する。」についてですが、
興味のある方には、スミマセン。
m(_ _)m
現状それほど普及していないと思いますので(※個人的な感想です)、この事について知りたい方は、この記事を参考にして下さい。
スミマセン。
(>_<)
⇩⇩⇩
登記簿(登記記録)の記載内容を確認するために使用する
不動産の登記申請書の作成する際に、登記情報を活用する場面は以下の二つです。
一つ目は、
◆登記申請書の記載事項を登記簿(登記記録)の記載内容と一致させる為。
二つ目は、
◆申請したい登記以外に申請が必要となる登記を確認する為。
では、
登記情報をどのように使用するのか、
抵当権抹消登記の申請書を作成する際を例にしてご紹介致しますね。
(^^)
登記申請書の記載事項を登記簿(登記記録)の記載内容と一致させる為
登記申請書に記載する事項は、登記簿(登記記録)に記載された登記内容と、原則、一致している事が必要となるんです。
抵当権抹消登記の申請書に記載する事項でいえば、
以下の項目が登記簿(登記記録)の記載内容と、原則、一致している必要があります。
・権利者(所有者等)の住所と氏名(会社等の場合は住所と名称)
・義務書(抵当権者/金融機関)の住所と名称
・登記対象不動産を特定する事項
上記の項目を登記申請書に記載する際は、「一字一句」間違わずに記載する必要があるんです。
記載事項を間違うと、
登記を申請した法務局に出向いて「訂正(補正といいます)」が必要となります。
(>_<)
訂正(補正)が無いようにするために、
登記情報で登記簿(登記記録)の登記内容を確認しながら登記申請書を作成することが必要となるんです。
(^^)
申請したい登記以外に申請が必要となる登記を確認する為
このタイトル、
読んでもいまいちピントこないですよね。
(^_^;)
ここで、
抵当権抹消登記を例に、
「申請したい登記以外に申請が必要となる登記」とはどんな登記なのかご紹介しますね。
(^^)
前項の「登記申請書の記載事項を登記簿(登記記録)の記載内容と一致させる為」で、
登記申請書に記載する事項は、登記簿(登記記録)の記載内容と一致している必要があるとご紹介しましたが、
仮に、
権利者(所有者等)の現在の住所(現在の住民票上の住所)が、登記簿(登記記録)に記載されている住所の違っていたら?
どうすれば、いいと思います?
【答え】
登記簿(登記記録)の権利者(所有者等)の住所を、現在の住所(現在の住民票上の住所)と一致させる権利者(所有者等)の住所変更登記を申請し、登記簿(登記記録)に記載されている住所を現在の住所(現在の住民票上の住所)と一致させる。
登記簿(登記記録)の記載内容と一致させるために、抵当権抹消登記の登記申請書以外に、
権利者(所有者等)の住所変更登記も必要になって来るんです。
(^^)
ちなみに、
上記の例で、権利者(所有者等)の住所変更登記を申請せずに、抵当権抹消登記のみ申請
した場合には、
⇩
抵当権抹消登記の申請は「取下げ」る事になります。
(※「取下げ」とは、申請した登記を一旦取り下げて白紙にする手続きです。)
上記のように登記申請を取下げた場合には、
再度、
⇩
1件目
権利者(所有者等)の住所変更登記
2件目
抵当権抹消登記
と、
併せて申請する事になります。
(>_<)
※このことに関して、もう少し知りたい方は、こちらの記事をご参考下さい。
⇩⇩⇩
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登記情報の取得方法
ここでは、
不動産の登記情報を取得するために必要となる、以下の項目について簡単にご紹介致します。
(^^)/
◆登記情報提供サービスの利用方法
◆登記情報を取得する際に必要となる請求事項
登記情報提供サービスの利用方法
ここでは、
登記情報を取得するためのサービスとその利用方法についてご紹介致します。
今回、
ご紹介する登記情報を取得するためのサービスは、
◆登記情報提供サービスの「一時利用」
です。
登記情報提供サービスを利用するための手続きを簡単にご紹介すると、
①登記情報提供サービスの「一時利用」の申込
⇩
②利用者の登録(一時利用者登録)
⇩
③登記情報提供サービスを利用
となります。
では、
登記情報提供サービスを利用するための手続きを、もう少し詳しく以下にご紹介します。
■登記情報提供サービスを利用するための手続き
①登記情報提供サービスのホームページを開く
⇩
②一時利用・利用申込をクリック
⇩
③一時利用者登録画面で次の項目を入力
・氏名
・パスワード(※ログイン時に必要)
・電話番号
・Eメールアドレス
・その他
⇩
④③で登録したEメールアドレスへ送信される次の項目を確認
・本登録用のURL
・利用者ID(※ログイン時に必要)
⇩
⑤④で受信した「本登録用のURL」をクリックして登録完了
⇩
⑥③で入力した「パスワード」と④で受信した「利用者ID」で登記情報提供サービスにログイン
⇩
⑦不動産の登記情報を請求し取得する。
※不動産の登記情報は「PDFデーター」で取得する事になります。
■登記情報提供サービス利用時の注意事項■
◆注意1
登記情報提供サービスの利用時間と利用料金は以下を参照下さい。
◆注意2
登記情報提供サービスの利用料金の支払はクレジットカードでの支払のみです。利用料金の支払に利用できるクレジットカードは以下を参照下さい。
◆注意3
登記情報提供サービスの利用する際のパソコン等の推奨する利用環境は以下を参照下さい。
◆注意4
一時利用サービスは、一度、ログアウトしてしまうと登記情報の請求が出来なくなります。再度、登記情報を請求する際は、もう一度、一時利用サービスを申し込む必要があります。(※ログアウト後に再度、ログインして請求した履歴を確認する事は可能です。)
◆注意5
登記情報を請求する際には、「マイページ」へ登録して請求する。請求を「マイページ」へ登録する事で請求の履歴が「マイページ」に残り、請求後3日間(3業務日)は請求履歴を確認出来ます。
◆注意6
「マイページ」の閲覧期間は、請求後3日間(3業務日)ですので、取得した登記情報はご自身のパソコンにダウンロードすることをオススメします。(PDFデーターでの受取となります。)
以上です。
登記情報提供サービス利用時の注意事項も確認して利用して下さいね。
(^^)
登記情報を取得する際に必要となる請求事項
登記情報提供サービスの利用準備が整ったら、
次は、いよいよ
不動産の登記情報を請求し取得してみましょう。
(^^)
と、
請求の前に、
不動産の登記情報を請求する際に必要となる請求事項とその確認方法を簡単にご紹介します。
登記情報を請求する際の請求事項
◆土地の請求事項
・所在
・地番
◆建物(戸建・マンション)の請求事項
・所在(地番を含む)
・家屋番号
です。
◆土地
・所在 = 渋谷区恵比寿八丁目
・地番 = 500番77
◆建物(戸建)
・所在 = 渋谷区恵比寿八丁目500番地77
・家屋番号 = 500番77
(※前章「登記情報ってどんなもの」の登記情報の見本をご参照願います。)
地番?
家屋番号?
聞き慣れない方もいるかと思いますので少しだけ解説。
(^^;)
地番とは、
法務局で土地に振られた番号の事です。
土地の番号(地番)が住民票上の住所ではない住居表示が実施された地域の方は、住所と地番が一致しているケースはまれですので、地番を確認した上で請求する事になります。
ちなみに、
住所の番号(○○番○○号)で請求した場合には、取得したかった登記情報では無いものを取得する可能性が大きいです。
(>_<)
次に、
家屋番号とは、
法務局で建物に振られた番号の事です。
こちらも、
家屋番号を確認せずに、
住所の番号(○○番○○号)で請求した場合には、取得したかった登記情報では無いものを取得する可能性が大きいです。
(>_<)
◆住所で登記情報が請求できる地域
地番が建物の住所として利用されている地域。
[見分け方]
住民票上の住所の番号表記が、「○○番地○○(又は、○○番地の○○)」となっている。
◆住所で登記情報が請求できない地域
地番が建物の住所として利用されていた地域で、住居表示の実施により新たに住所の番号を建物に振りなおした地域。
[見分け方]
住民票上の住所の番号表記が、「○○番○○号」となっている。
登記情報を取得する際の請求事項の確認方法
では、
前項で紹介した登記情報を取得する際の請求事項、
この確認方法を以下にご紹介します。
(^^)
◆以前登記した際に取得した登記簿謄本(全部事項証明書)で確認する。
[難易度(1)★☆☆]
◆以前登記した際に取得した登記済権利証又は登記識別情報通知書で確認する。
[難易度(1)★☆☆]
◆固定資産税の納税通知書の課税不動産の記載で確認する。
[難易度(2)★★☆]
※課税されない道路(非課税物件)部分などは、記載されていないので物件の取得もれに注意!!
※物件の取得もれを防止するため、抵当権の共同担保目録付きで登記情報を取得する方法があります。
但し、物件の取得もれを完全に防止する事は出来ません。(※共同担保目録とは、共同担保として担保提供されている物件が記載されている目録です。共同担保目録の記載例としては、前章「登記情報ってどんなもの」の建物登記情報の見本をご参照願います。
◆不動産の管轄法務局へ電話をかけて、住所と所有者(戸建の場合)又は部屋番号(マンションの場合)から請求事項を確認する。
[難易度(2)★★☆]
・土地を取得する際は「住所」を法務局の担当者へ伝えて下さい。
・建物(戸建)を取得する際は「住所と所有者」を法務局の担当者へ伝えて下さい。
・建物(マンション)を取得する際は「住所と部屋番号」を、また場合によっては「マンション名」を法務局の担当者へ伝えて下さい。
不動産の管轄法務局を調べたい方は、次の記事を参考として下さい。
⇩⇩⇩
◆登記情報提供サービス内の地番・家屋番号検索等を利用し、又は公図を取得の上住宅地図と公図を照らし合わせて住所から地番等を特定する。
[難易度(3)★★★]
※この方法は、少し難しいのであまりオススメしません。
(>_<)
ま と め
最後までこの記事にお付き合い頂きありがとうございました。
登記情報って何?その活用場面と取得方法についてご紹介してきましたが、
お役に立てたでしょうか?
何かのお役に立てたら幸いです。
ではでは、また次回の記事にて。
(^^)
sorahachiは
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(^^)
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⇩⇩⇩
■ 登記情報ってどんなもの
◇不動産の登記情報とは、
不動産の登記簿(現在、登記簿は登記された内容がデジタルデータ化され登記記録といいます。)に登記された内容(権利等の履歴)が記載されている、登記簿謄本(全部事項証明書)みたいなものです。
■ 登記情報を活用する場面
◇登記簿(登記記録)の記載内容を確認するために使用する。
◇登記簿謄本(全部事項証明書)の代わりに証明書として使用する。
■ 登記情報の取得方法
◇登記情報提供サービスの利用方法
◇登記情報を取得する際に必要となる請求事項
(^^)/
こちらもご参考下さい。
⇩⇩⇩
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